愛媛県松山市。ころんとまあるいフォルム、クリームイエローのキッチントレーラー。
そこには、ぷっくりと焼き上げられ、目にも鮮やかなさまざまなフレーバーのベーグル達が並びます。
そんなベーグルを笑顔で提供するのは、mocchi bagel(モッチベーグル)の店主さんとその娘さん親子。
親子二人三脚で作る愛情たっぷりのベーグル達は地元の方の評判を呼び、週末に開催するマルシェでは多くの方がその味を求め、列を作ります。
今回はmocchi bagel店主の娘さんにお話を伺います。
はじまりは家族の”おいしい”という笑顔から
週末は家族でパン屋さん巡りをするというほど、家族でパン好きだという店主さん一家。
食べるだけでなく作ることも好きだという店主の娘さんが作るベーグルは家族に大好評。
「家族がおいしいと喜んでくれる姿がうれしくて」と毎日のようにベーグル作りをするようになったと振り返ります。
パンやお菓子作りが好きな母が早期退職したこともあり、二人でベーグルを作っていけたらきっと楽しいだろうねと話していて。そして、せっかくなら家族に限らず地域の人たちなど、多くの人にベーグルを届けられたらと夢が広がっていきました。
独学だったというパン作りですが、お母さんと一緒にパン教室に通い、本格的にベーグル専門店オープンへの道を歩み始めます。
天然酵母を使ったベーグル作りなど、これまでの自己流とは違ったプロの視点から指導いただけたことで、たくさんの学びがありました。
そんな中、思いもよらない出来事が。娘さんが体調を崩され、長期入院する事態に陥ったのです。
「さぁオープンに向けて準備を始めよう」というところだったので、ベースになる生地作りの研究を母一人に任せることになってしまいました。
学校に通ったり、本格的なお店で修行をしたりといった専門的な知識や経験もないので、なかなか理想の生地にたどり着かず、当時は本当に大変でした。
味はもちろん、食感や焼き加減を商品として提供できるレベルのものにするのはそう簡単なことではありません。
粉の選定・配分、加水量や発酵時間の調整、焼き時間、焼き温度の調節など、一つひとつの要素の微妙な違いが出来上がりを左右します。
何度も何度も試作を重ね、家族はもちろん友人などにも試食をしてもらう日々。
やっと理想な生地ができあがり「おいしい」と感想をもらえたときは、これまでの苦労が報われた気がしたと娘さん。
決して楽しいだけではなかった研究・試作期間。その時間の中で培った「二人でおいしいものを生み出したい」という思いがベースとなる生地にはたっぷり込められているのですね。
マルシェ販売など地域密着型のベーグル店
ベーグルの提供は、2024年7月、mocchi bagelと同時期にオープンした地元のカフェ「みんなの家庭科室」での試食提供から始まります。
同店のオーナーさんのご配慮もあり、その後は委託販売も開始。地元の人々へmocchi bagelのベーグルが届き始めました。
カフェに来るお客さんからベーグルの感想を直にいただけるのはとてもありがたかったです。アンケートの回答から、新しいベーグルのアイデアや方向性のヒントももらえたりして。中には本当に細かく感想を書いてくださる方もいて、とても参考になりました。
試食提供開始の約2か月後、より幅広い人々にベーグルを提供する機会が訪れます。地元マルシェへの出店です。
松山市花園町で行われている、地域密着型の日曜市。初めての出店にもかかわらず見事完売を果たし、委託販売や出店にとどまらず、本格的なお店のオープンに向けて馬力も上がります。
待ちに待ったキッチントレーラー「もっち号」の納車を経て、試食提供から約5か月後の12月13日。遂にオープンの日を迎えました。
もっち号の車体に大きく描かれたのは、ご家族の愛犬のフレンチブルドッグをもちもちベーグルと小麦が囲うお店のロゴ。こちらも娘さんのお友達のデザインなんだとか。
「遂にお店を持って、多くの人たちにベーグルを届けられる」キッチントレーラーを迎えた日は思いも格別だったと言います。
まさに家族全員で作り上げたmocchi bagelは、親子二人三脚に加え、地元の人々からの温かいサポートから始まりました。
もちもち・むぎゅっ 食べ応えいっぱいのベーグル
そんな愛情も思い出もたっぷり詰まったmocchi bagelのベーグル。
なんといってもこだわりは、もちもち、むぎゅっとした食感。食べ応えは抜群、それでいて身体にやさしいベーグルです。
生地は北海道産小麦に天然酵母、きび砂糖を使い、素材選びも手を抜きません。
プレーンベーグルは、こんがり美しいきつね色の焼き目の皮目、中はみっちりと詰まった混じりけのない優しい純白な生地。
小麦の甘い香りを感じながら頬張ると、皮目はパリッと、そして跳ね返るような弾力・元気いっぱいの中の生地。そして広がる素材の甘み。皮目と中の生地の食感それぞれの調和が心地よいベーグルです。
フレーバー系ベーグルも豊富にラインナップ。
具材や巻き込むフィリングも沖縄県波照間島の黒糖や地元和菓子屋さんのあんこなど、できる限り国産、地元食材を使うように心がけているそう。
中には自家製のものもあり、店主さんが作る餡ペーストやジャムのおいしさは格別なんだとか。
自家製のきなこクリームを巻き込んだ「きなこ」はナッツのようなコクのきなことザラ糖のジャリっと食感がクセになるお味。
2種のチーズを贅沢に使い、外側・中のフィリングどちらからもチーズのコクとうまみを堪能できる「ダブルチーズ」は、小さなお子さんから大人までを虜にする人気者です。
ベーグルで一人でも多くの人を笑顔に
決して楽しいだけではなかったオープンまでの日々。実際にキッチントレーラーでの実店舗販売をスタートしたmocchi bagel店主の娘さんに今後の抱負を伺いました。
ベーグル作りは全て母と私二人の手作業。日々焼ける個数に限りがあるのはもちろんですが、少しでも多くの方にmocchi bagelをお届けできるよう、試行錯誤の日々は続きます。
もっち号を固定店舗とした販売をベースとし、トレーラー設置が可能な場所には可能な限り出店したいと話す娘さん。
ぷっくりフォルムの愛情たっぷりベーグルを乗せたもっち号が現れる場には、優しい笑顔の輪も広がります。
mocchi bagelの今後の提供方法とリベイク方法
〈mocchi bagelの今後の提供〉
今後はもっち号店舗販売をベースに、委託販売やマルシェ出店にて購入が可能です。
時期は未定ですが、通販の検討もされているとのこと。遠方からでもmocchi bagelを楽しめる日が待ち遠しいですね!
〈リベイク方法〉
常温の場合
電子レンジ600Wで約20秒温めた後、表面を軽く湿らせてオーブンへ。焼き時間は1分半~2分です。
冷凍の場合
自然解凍がおすすめ。その後は上記同様!
店舗情報|mocchi bagel(モッチベーグル)
愛媛県松山市祓川2丁目2-5
10:00〜16:00(売り切れ次第終了)
定休:公式Instagramをチェック
店舗:あり(駐車場あり、店舗トレーラー横に3台ほど)Instagram:https://www.instagram.com/mocchi_bagel/
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